2024.06.10
企業の動画配信はセキュリティが重要!リスクとパスワード保護の実践方法を解説
企業が動画配信やライブ配信を行う際はセキュリティが重要です。
機密情報が漏洩するなどの問題が発生すると、信用を失う可能性があります。
この記事では、企業が直面するセキュリティリスクやその対策方法について詳しく解説します。
セキュリティを強化することで、安心して動画配信を行い、信頼を築けるでしょう。
今後はセキュリティ意識を高め、パスワードを設定するなど適切な対策が重要です。
自社の情報を守るために、早めに対策を導入しましょう。
動画配信で考えられるセキュリティリスク
企業が動画配信を行う際には、いくつかのセキュリティリスクが懸念されます。
具体的には、不正アクセスや情報漏洩、そして著作権侵害が挙げられます。
これらのリスクに備え、適切なセキュリティ対策をすることが不可欠です。
ここでは企業の動画配信において考えられるセキュリティリスクを4つ紹介します。
不正アクセス
不正アクセスは、外部からの攻撃者が合法的なユーザーのアカウント情報を盗んで、不正にアクセスする行為を指します。
これが原因で機密情報が漏洩し、企業が損害を被る恐れがあります。
また攻撃者がなりすますことで、正規ユーザーとしてアカウントを使用し悪用することも可能です。
不正アクセスを防ぐためには、強力なパスワードポリシーの導入や二要素認証の利用が不可欠です。
パスワードポリシーとは、組織やシステムが採用する、パスワードの作成および管理に関するルールやガイドラインのことを指します。
さらに定期的なセキュリティトレーニングの実施や、最新のセキュリティソフトウェアを活用しましょう。
また、侵入検知システムの設置やセキュリティポリシーの徹底も有効な対策となります。
こうした対策を講じることで、企業は不正アクセスのリスクを最小限に抑えることが可能です。
情報漏洩
動画やライブ配信中に、企業が意図しない情報を漏洩させることがあります。
たとえば未発売商品の映像や、企業として公開してはいけない情報が意図せず露出されることなどです。
また配信中に、従業員が個人のプライベートな情報に言及することもあります。
このような情報漏洩は、たとえ故意ではなく「うっかり」だとしても、企業の信頼性を大きく損ない、法的な問題を引き起こす可能性があるでしょう。
競合他社に機密情報が漏れてしまうと、ビジネス上の競争力を失う恐れがあります。
また顧客の個人情報が漏洩した場合には、企業に対する信頼が揺らぎ、ブランドイメージの低下や顧客離れを招くことになります。
情報漏洩を防ぐためには、配信前に情報のチェックを徹底し、適切な権限管理を行うことが重要です。
さらに社内の情報セキュリティポリシーの徹底や、従業員への教育・トレーニングも欠かせません。
不正コンテンツの投稿
不正アクセスによって、企業の動画配信プラットフォームに不適切な画像や動画が投稿される可能性があります。
また社員が個人のアカウントを企業のアカウントと誤解し、プライベートな情報や悪口などを投稿してしまうこともあるでしょう。
これらの不正コンテンツの投稿は企業の信頼性を損ない、顧客やパートナー企業との関係を悪化させる恐れがあります。
このようなリスクを軽減するためには、アカウントへの不正アクセスを防ぐためのセキュリティ対策の強化が必要です。
また投稿内容の監視や適切なフィードバックを行うことで、不適切なコンテンツの早期発見と対処が可能となります。
著作権侵害
動画やライブ配信で著作権侵害に該当するコンテンツを使用するリスクがあります。
たとえばテレビ番組や映画の映像、許可されていない画像や音楽などを無断で使用することが挙げられます。
企業が動画配信を行う際に、著作権侵害を引き起こすと、その企業の信用が大きく損なわれる恐れがあるでしょう。
著作権侵害を防ぐためには、コンテンツの使用権を確認し、適切なライセンスを取得することが不可欠です。
また、社内でのコンプライアンス教育やガイドラインの策定、コンテンツのチェック体制の強化なども重要です。
これらの対策を講じることで、企業は著作権侵害からのリスクを最小限に抑えられます。
パスワード等でセキュリティを強化する方法
ここでは動画配信におけるセキュリティ強化の方法を6つ紹介します。
パスワードやユーザー認証など、様々な手法を組み合わせてセキュリティを強化しましょう。
DRM
デジタル著作権管理(DRM)は、動画配信におけるセキュリティ強化の重要な手法です。
DRMはデジタルコンテンツの著作権を保護し、不正コピーや不正利用を防ぐための技術です。
DRMの主な機能として、コンテンツの暗号化があります。
暗号化されたコンテンツは、許可されたデバイスやアプリケーションでのみ復号され、再生が可能となります。
暗号化により、不正な視聴やコピーを防ぎ、コンテンツの安全性を確保します。
またDRMには、視聴権限の管理機能も含まれています。
この機能によって、特定の視聴者にのみコンテンツの再生を許可したり、視聴期限を設定したりすることが可能です。
たとえば、購読期間が終了した場合、自動的に視聴が停止されるように設定できます。
再生ドメイン制限
再生ドメイン制限は、動画コンテンツの再生を特定のドメインに制限するセキュリティ対策です。
この制限により、コンテンツが不正に他のサイトに埋め込まれたり、外部サイトでの無断再生が防止されます。
制限されたドメイン以外では動画が再生されないため、コンテンツの安全性が向上するでしょう。
さらに制限をかけることで、動画の視聴を特定の信頼できるウェブサイトに限定できます。
この方法は、不正な流出や盗用を防ぎ、コンテンツのコントロールを強化する上で有効です。
たとえば、この再生ドメイン制限をDRM(デジタル著作権管理)やIPアドレス制限と組み合わせることで、コンテンツへの不正アクセスを多層的に防ぐことが可能です。
IPアドレス制限
IPアドレス制限は、特定のIPアドレスからのアクセスのみを許可するセキュリティ対策です。
不正なアクセスや攻撃を防ぎ、安全なアクセスを確保します。
制限されたIPアドレス以外からのアクセスは拒否されるため、セキュリティを高める効果があります。
IPアドレス制限は、動画配信プラットフォームや機密情報へのアクセス制御に効果的です。
たとえば、特定の企業内部のネットワークからのみアクセスを許可することで、外部からの不正なアクセスを防ぎます。
また、特定の信頼できるパートナーや顧客のIPアドレスからのみアクセスを許可することで、コンテンツの安全性を保護します。
IPアドレス制限は、他のセキュリティ対策と組み合わせて使用することで、より強固なセキュリティを実現します。
しかしIPアドレスは動的に変化することがあるため、定期的な更新と管理が必要です。
またVPNなどのアクセス方法を利用する場合、IPアドレス制限がうまく機能しないことがあるため、注意が必要です。
時限付きトークン認証
時限付きトークン認証は、アクセスを許可する際に一定期間有効なトークンを使用するセキュリティ手法です。
通常、認証トークンはユーザーがログインするときに発行され、一定時間が経過すると自動的に無効化されます。
この仕組みにより、不正なアクセスやセッションハイジャックから保護されます。
時限付きトークン認証は、セキュリティアプリケーションやAPIでアクセス制御を強化するために広く使用されています。
トークンが期限切れになると、ユーザーは再度認証を行う必要があります。
時限付きトークン認証は、ユーザーの利便性を損なうことなく、セキュリティを高める効果的な手段です。
また企業もこの認証手法を導入することで、動画配信のセキュリティを大幅に向上できるでしょう。
HLS暗号化
HLS(HTTP Live Streaming)暗号化は、動画配信におけるセキュリティ強化の重要な手法です。
通信経路上での動画データを暗号化することで、不正なアクセスや盗聴からコンテンツを保護します。
この技術を使用することで、コンテンツの安全な配信が可能となり、ユーザーのプライバシーや著作権を守ることが可能です。
HLS暗号化は多くのプラットフォームでサポートされており、広範囲なデバイスやブラウザで視聴ができます。
また暗号化された動画データは、不正なキャプチャや保存を防ぐことが可能です。
さらに、ライセンス管理やDRM(デジタル著作権管理)と組み合わせることで、コンテンツの利用制限や著作権保護をより強化できます。
HLS暗号化は、動画配信サービスのセキュリティを向上させるための有力な手段の1つです。
ユーザー認証
ユーザー認証は、動画配信プラットフォームやオンラインサービスにおいてとくに重要です。
適切な認証手法を使用することで、不正なアクセスや権限のないユーザーからコンテンツを保護できます。
具体的な方法として、ユーザー名とパスワードの組み合わせによる認証が一般的ですが、これに加えて二要素認証(2FA)を導入することで、さらなるセキュリティ強化が図れます。
二要素認証はユーザーがパスワードに加えて、スマートフォンなどのデバイスで生成される一時的なコードを入力する方式です。
二要素認証により、パスワードが漏洩しても、不正なログインを防げるでしょう。
またユーザー認証システムには、定期的なパスワードの変更を促す機能や、異常なログイン試行を検知してアカウントを一時的にロックする機能も含まれています。
動画配信で気をつけたいセキュリティ対策
さらに企業で動画配信をする際に知っておきたいセキュリティ対策を3つ紹介します。
ストリーミング配信を利用する
ストリーミング配信では、動画データが一時的に受信され、閲覧されるため、ダウンロードされたり不正に複製されるリスクが低くなります。
さらに配信中にデータを暗号化することで、不正アクセスや盗聴からコンテンツを保護することが可能です。
暗号化されたデータは、受信側で復号されて表示されるため、不正な第三者がコンテンツを読み取ることが困難になります。
ストリーミング配信を利用することで、コンテンツの安全性とセキュリティを確保するだけでなく、視聴者にスムーズな視聴体験を提供することも可能です。
高度なセキュリティ対策を導入することで、企業の信頼性を高め、顧客のプライバシーを保護できます。
YouTubeの限定公開を避ける
YouTubeの限定公開機能は、特定の視聴者にのみコンテンツを公開する便利な方法ですが、慎重に扱う必要があります。
限定公開に設定すると、一般のチャンネルページでは動画が表示されず、動画URLを知っている人のみがアクセス可能です。
しかし視聴URLを知っている人が誤って他の人に共有してしまえば、想定外の視聴者が動画を閲覧できるリスクがあります。
限定公開という名前とは裏腹に、実際には誰でも視聴できてしまう危険性を持っています。
セキュリティを保護するためには、公開する前に公開範囲を確認し、必要に応じて設定を慎重に行うことが重要です。
とくに企業情報や個人情報などの機密情報を含むコンテンツを公開する場合には、公開範囲を限定公開から非公開に変更することを検討する必要があります。
不正なアクセスや情報漏洩を防ぐために、パスワード保護やリンクの有効期限設定などの追加のセキュリティ対策を検討することが重要です。
ダブルチェックでヒューマンエラーをなくす
動画配信におけるセキュリティを確保するために、著作権侵害や情報漏洩を防ぐための重要な手法の1つが、ダブルチェックです。
複数の担当者によるチェックやチェックリストの使用など、同じ作業を複数回行うことで、ヒューマンエラーを最小限に抑えられます。
たとえば動画コンテンツの公開前には、内容や使用されている素材に関するチェックを複数回行うことが重要です。
とくに重要なコンテンツに対しては、著作権侵害や情報漏洩のリスクを考慮し、より丁寧なチェックを行うことが良いでしょう。
さらに、1人だけではなく複数の担当者が関与し、チームで協力して取り組むことも効果的です。
チームメンバー間で情報を共有し、相互に補完しあうことで、不備や見落としを防げるでしょう。
また、定期的なコンプライアンス研修を実施することも重要です。
チーム全体が著作権侵害や情報漏洩のリスクについて正確な知識を持ち、適切な対処法を理解することで、セキュリティ意識の向上とヒューマンエラーの防止に役立ちます。
セキュリティに優れた動画配信プラットフォームを利用する
企業によっては、動画配信を行いたくても、担当者やチーム全体がインターネットのセキュリティに詳しくない場合もあります。
そのような場合には、セキュリティ対策に優れた動画配信プラットフォームのサポートを受けることがおすすめです。
ULIZAのようなプラットフォームは、セキュリティに関する専門知識を持ったチームによるサポートを提供し、安全な配信環境を提供します。
ULIZA
ULIZA(ウリザ)は、セキュリティを重視した動画配信プラットフォームです。
ULIZAは通信の暗号化にSSL技術を採用しています。
SSL技術により、データの送受信が安全に行われ、第三者からの情報の盗み取りや改ざんを防ぎます。
また、動画自体の暗号化にもAES(Advanced Encryption Standard)を採用しており、動画コンテンツの保護を強化。
さらに、ULIZAでは不正アクセスの防止にも重点を置いています。
IP制限や配信ドメインの指定を活用することで、許可していない地域・Webサイトからのアクセスをブロックし、不正な視聴やダウンロードを防ぐことが可能です。
ULIZAのもう1つの特徴は、セキュリティ管理のための多様な機能です。
ユーザー認証を配信サイトに設定できるため、ログイン可能なユーザーを制御できます。
まとめ
企業が動画配信を行う際の機密情報の漏洩や不正アクセスは、企業の信頼を損ないます。
セキュリティ対策は、業界での競争力を維持し、顧客の信頼を確保するために重要です。
この記事では、著作権侵害や情報漏洩などのリスクを具体的に解説し、パスワード保護やSSL暗号化などのセキュリティ対策を紹介しました。
これらの対策をすることで、企業は安全な動画配信環境を確保し、顧客の信頼を築けるでしょう。
動画配信におけるセキュリティ対策は、企業の成長と発展に欠かせない要素です。
この記事の監修者: 動画総合研究所 編集部
動画総合研究所は、動画配信技術の活用による企業のDX推進をお手伝いするためのメディアです。
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