2024.10.22
利用するのは難しい?動画視聴ログ分析ってこんな機能!
動画配信プラットフォームの検討にあたり、「自社の動画配信サービスを利用しているユーザーの視聴動向を数値化したい」「公開した動画コンテンツがどれくらい視聴されているか知りたい」など、あらかじめ視聴動向の分析について具体的なご要望があり、動画視聴ログ分析機能を重視されている方もいらっしゃると思います。
また、反対に「今はまだ何が分かるかよく分からないけれど、ある程度は動画配信後の視聴動向を知っていきたい」など、これから分析を深めていく方もいらっしゃるかと思います。
今回は、特に後者の方に向けた基礎知識として、動画視聴ログ分析機能について解説します。
目次
動画視聴ログ分析機能とは?
動画視聴ログ分析機能とは、「どの動画コンテンツが何回再生されたのか」「再生された内、その動画コンテンツは何割まで視聴されたのか」など、動画配信に係わる視聴者の視聴動向分析をサポートする機能・ツールを指します。
分析機能は、有料・無料に係わらず動画配信プラットフォームの標準機能として提供されていることが多いですが、中にはサードパーティーとしての連携を前提とした独立型のツールも提供されています。
その分析項目として、「再生回数」「平均視聴時間」「視聴者数」「再生環境(OS・ブラウザ等)」などが一般的ですが、「動画コンテンツを再生した視聴者がコンバージョンに至った件数」や「任意の動画コンテンツについて再生位置に対する再生数の推移」などを計測する分析機能など、提供企業独自の項目もあります。
動画視聴ログ分析機能の分析項目とはどんなもの?
まず、分析機能にはその項目の大きな枠として、「指標」と「ディメンション」があります。
指標とは、再生回数、平均視聴時間などの視聴者の動向を集計・計算した結果の数値を指します。ディメンションとは、時間帯別、動画コンテンツ別など、指標をどのような基準で出すかの分析軸を指します。
例えばGoogleアナリティクスのような何かしらのWebアクセス解析機能を利用されたことがある方には、この二つは馴染みのある言葉かもしれませんね。
そして視聴動向分析は、この指標とディメンションを組み合わせることから始まります。とはいえ、実際には難しいことはなく、一つのディメンションを選択するだけで様々な指標が一覧で表示されるなど、多くの分析機能は使い勝手の良いように設計されています。
一般的な分析項目から分かる分析例(基本編)
では、指標とディメンションの組み合わせから、どんなことが分析できるのでしょうか?いくつか例を挙げて紹介します。
(例1)動画コンテンツ別再生回数
動画コンテンツ別再生回数とは、週間や月間など、一定の集計期間における動画コンテンツごとの再生回数、いわゆるランキングを示す分析項目です。
例えば、クッキングサイトなどでレシピ動画を配信している場合など、レシピの人気ランキングを作成可能です。たまたまサイトに訪れたユーザーに対して、多くの人に選ばれているものなら良いものだろうと思う心理を利用したバンドワゴン効果により、元々の目的とは異なるレシピへの興味を喚起することで、サイトの回遊率やリピート率の向上が図れます。
また、レシピの人気ランキングそのものをキラーコンテンツとして会員を囲い込む手法も昨今では普及しているようです。
(例2)動画コンテンツ別視聴率
動画コンテンツ別視聴率とは、一定の集計期間内において、その動画コンテンツの動画プレイヤーが表示された回数に対して実際に再生された回数の割合を示す分析項目です。
例えば、コーポレートサイトなどで自社商品の紹介動画・CMを配信している場合など、動画コンテンツそのものが商品の場合よりも、商品のプロモーションを目的として設置された動画コンテンツの効果測定に利用可能です。
動画コンテンツは一般的に文字や画像だけの情報よりも訴求力が高いと言われているため、動画コンテンツ別視聴率を確認することで、その動画コンテンツで紹介している自社商品が有効に訴求できているかどうか、またはその自社商品に対するユーザーの興味の度合の判断基準のひとつになり得ます。
もし視聴率が上がらない場合には、よりユーザーの興味を引くように動画コンテンツのサムネイル画像や再生前スライドショーを何の動画コンテンツなのかが分かるようなシーンや続きが気になるシーンに差し替える、ユーザーがその存在に気づきやすいようにWebページのファーストビューやそれに近い位置に設置する、視聴者により短時間で効率的に情報を提供できるように文字や画像を閲覧しながら視聴可能なピクチャーインピクチャーで表示するなど、動画プレイヤーの設置方法を工夫することで改善される可能性があります。
(例3)時間帯別同時視聴者数
時間帯別同時視聴者数とは、特定の動画コンテンツ配信において、1分や5分などで刻まれた各時間の視聴者数を示す分析項目です。本分析項目は、特にライブ配信において重要とされ、その最大値は配信規模を測る指標となります。
本指標は、例えばアーティストの音楽ライブや著名人のセミナーなど、大規模なライブ配信に対する視聴者のエンゲージメントの目安として、コンテンツの人気度、集客方法や付加機能が異なるライブ配信同士の比較などに用いられます。
一般的な分析項目から分かる分析例(応用編)
これまでの例でも見てきましたが、動画視聴ログ分析機能を利用することで、単なるWebアクセス解析と比較して、ユーザーの行動履歴やコンテンツへの関心度をより詳細に測ることが可能となります。
さらに、分析機能を会員情報などを持った管理機能と連携することにより、視聴者一人一人の視聴履歴の取得や視聴動向の分析も可能です。
これらの視聴履歴や視聴動向は、例えば次のように利用されています。
・エンタメ系SVODサービスで、ユーザーが関心のありそうな動画コンテンツをお勧めし、サービスに対するユーザーのロイヤリティ向上に繋げる
・大学の動画授業やオンラインでの社内研修で、学生や従業員の受講の進捗を管理し、単位の認定や課程の修了を判定する
・シリーズ物の習い事やレッスン動画の配信で、進捗が思わしくない受講生に応援メールやフォローを入れることで受講を後押しする
会員情報などを持った管理機能は、元から配信プラットフォームの機能として提供されている場合やサードパーティーの機能との連携を前提にしている場合があるので、ご興味をお持ちの方は、ご検討中の動画視聴ログ分析機能の提供企業に相談してみてください。
まずは例を参考に視聴動向分析を始めてみよう
今回は、動画視聴ログ分析機能についての基礎知識を解説しました。
分析機能とは「この項目さえ見ておけばいい」というものではなく、「この数値の結果から分かることは何か」「このような分析をするためにどの項目を見るか」といった運用者の分析をサポートする機能となっています。
一見、利用が難しく感じることもあるかもしれませんが、まずはここで紹介した例を参考に視聴動向分析を始めてみるのはいかがでしょうか?そうすると、いつの間にか慣れてきて、自社に合った分析ができるようになっているかもしれませんね。
この記事の監修者: 動画総合研究所 編集部
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