2024.11.13
プラットフォームビジネスとは?種類・事例と収益モデルを解説
近年、プラットフォームビジネスが活発に展開されています。BtoCだけでなくBtoBのプラットフォームも増加しており、多様なジャンルのサービスが存在するため、自社のビジネスに活用したいと考えている企業も多いでしょう。
プラットフォームビジネスは多岐にわたるため、自社にとって有用なサービスを見つけることで事業を加速させられる可能性があります。この記事では、代表的なプラットフォームビジネスの種類と事例を紹介し、収益モデルについても解説します。
目次
プラットフォームビジネスとは
プラットフォームビジネスは、マサチューセッツ工科大学特別教授のマイケル A. クスマノの著書「The Business of Platforms」によって世界的に知られるようになったビジネスモデルです。商品やサービスを提供する企業の価値を最大化し、利用者につなげる基盤システムを提供することを特徴としています。
サービスを開発し提供する企業と、そのサービスを利用する企業や個人は、必ずしも直接契約を結ぶわけではありません。近年では、間に企業を介してサービスを利用するケースが増えています。
このようにプラットフォームビジネスは、提供者と利用者の橋渡しをする基盤としての役割を果たしています。また提供者・利用者双方にメリットがあるため、注目を集めているビジネスモデルです。
(参照:https://dhbr.diamond.jp/articles/-/6390)
プラットフォームビジネスの種類と事例
プラットフォームビジネスは4種類に分けられます。ここでは、プラットフォームの種類と事例を紹介します。
仲介型
仲介型のプラットフォームビジネスは、提供者と利用者を直接的にマッチングする仕組みです。サービスを提供したい側と利用したい側の橋渡しをする役割を果たします。
代表的な例としては、メルカリやラクマなどのフリーマーケット型のCtoCプラットフォームが挙げられます。これらは、売りたい人と買いたい人を直接的に結びつけるサービスです。また、クラウドワークスやランサーズのようなクラウドソーシングプラットフォームも、CtoC、BtoC、BtoBなど様々な形態のマッチングを行う仲介型に該当します。
OS型
OS型のプラットフォームビジネスは、第三者のアプリやシステムを利用者に提供する仕組みです。OSとはOperatingSystem(オペレーティングシステム)の略で、パソコンのWindowsやmacOSに相当します。
代表例として、Apple App StoreやGoogle Play Storeが挙げられます。
iOSやAndroid向けのアプリを開発者(提供者)に登録させ、利用者に提供するプラットフォームを確立しています。
また、AmazonのAWSも汎用性の高いコンピューティングやサーバーの包括的なOS型プラットフォームです。アプリやソフトウェアが稼働するインフラとしての機能を提供しています。
コンテンツ型
コンテンツ型のプラットフォームビジネスは、動画や記事などのコンテンツを登録し配信する場を提供する仕組みです。提供者はプラットフォームを通して利用者に情報を効率的に発信できます。
代表例としては、YouTubeや各種SNS、HuluやTVerなどの動画配信プラットフォームが挙げられます。さらに、Amazon KindleやSpotifyのような、書籍や音楽などのコンテンツを提供するプラットフォームも含まれます。
ソリューション型
ソリューション型のプラットフォームビジネスは、特定の機能を持つシステムやアプリケーションを提供する仕組みです。主にビジネスソリューションを提供する目的で開発されており、BtoBサービスが中心となっています。
代表的な例としては、決済アプリやPOSレジ・エアレジなどが挙げられます。導入する企業と利用する消費者の橋渡しをし、より快適な顧客体験の提供を可能にします。
さらに、IoTやAIなどを利用して、各業界の課題解決につながるシステムやスマート技術を提供するプラットフォームも登場し、活用が進んでいます。
プラットフォームビジネスの収益モデル
プラットフォームビジネスにおける収益モデルは、主に4種類に分類されます。どれもプラットフォームの提供者としてサービスを検討する際に重要ですが、利用者の立場でも理解しておくべき重要なポイントです。以下では、プラットフォームでよく採用されている4つの収益モデルの仕組みと特徴を紹介します。
手数料課金
手数料課金は、プラットフォームビジネスにおいて最も一般的な収益モデルの一つです。利用プランの内容、利用回数、利用金額などに基づき一定の手数料を請求する契約を締結して利用します。この仕組みは、特に仲介型のプラットフォームでよく採用されています。
利用金額に対して一律に手数料10%を設定するシステムを例にすると、5万円の取引が成立した場合、10%の5,000円をプラットフォーム提供会社に支払うことになります。
ただし、手数料課金モデルでは、実際の利用の有無にかかわらず毎月定額の管理費用が発生する場合があります。つまり、完全な従量料金制ではないことに注意が必要です。
従量課金
従量課金は手数料課金に近い収益モデルです。プラットフォームのサービスを利用した分だけ料金が発生するのが特徴で、まったく利用しなかった場合には料金が発生しません。
このモデルでは、サービスの利用回数や金額などに応じて料金が決まります。マッチング1件あたり、SMS送信1文字あたりといった独自の料金体系が整えられていることが多いのが特徴です。
定額課金(サブスクリプション)
定額課金(サブスクリプション)は、利用状況によらず一定の料金を請求する収益モデルです。月額料金が決まっており、利用者は毎月同じ金額を支払うだけでサービスを自由に利用できます。
サービスの提供者にとっては収益予測がしやすく、利用者にとっては支出の見通しを立てやすい仕組みであるため、双方にメリットがあり採用されるケースが増えています。
フリーミアム
フリーミアムは、無償・有償のサービスを組み合わせて提供する収益モデルです。基本機能は無料で利用できますが、高度な機能を使用するには有償のプランに申し込む必要があります。
利用者にとってのメリットは、基本機能を使用して気軽にトライアルができることです。提供者側も、無料サービスのユーザーから口コミを得られれば、マーケティング効果を享受できます。
フリーミアムでは、段階的な料金プランを設けている場合もあります。実際に使用してみて、必要な機能を含むプランを自由に選択し、契約を変更できるのが特徴です。
プラットフォームビジネスを活用するメリット
プラットフォームビジネスは、プラットフォームを確立する会社にとっては、それ自体がビジネスになる点でメリットがあります。しかし、サービスの提供者としてプラットフォームを活用することも、ビジネスにとって有効な戦略となり得ます。ここでは、プラットフォームビジネスを活用して事業を展開するメリットを解説します。
市場を速やかに拡大できる
プラットフォームビジネスを活用すると、市場を速やかに拡大できます。通常、新しいサービスを提供する際には初期開発が必要ですが、プラットフォームを利用することで開発期間を大幅に短縮できます。
既存ビジネスを拡大する際、リソース不足が障壁となる場合もありますが、適切なプラットフォームを契約することですぐに事業を拡張できます。
新規ビジネスを始めやすい
プラットフォームビジネスを利用することの大きなメリットは、市場を獲得しやすい点です。
新規事業を立ち上げる際、多くの競合が存在し、新規参入しても大きなシェアを得られずに頓挫するケースがよくあります。
しかし、プラットフォームビジネスのサービスを活用すると、すでに一定数の利用者が存在しているため、新規顧客を比較的容易に獲得できます。さらに、サービスの基盤構築などにかかる初期コストも抑えられるため、市場獲得の失敗リスクを軽減できます。
多様なコンセプトの市場を選べる
プラットフォームビジネスは競合が多く、特にメジャーな分野では競争が激しいのが現状です。このような環境で成功するには、競合他社と差別化できるサービスを提供する必要があります。よって、競争が激しい分野ほど多様なコンセプトで構築されたプラットフォームが存在し、自社に最適な市場を選べるというメリットがあります。
プラットフォームごとに定着しているユーザー層が異なるため、自社のビジネスに適合する見込み客が多く、集客力が高いプラットフォームの選択が重要です。さらに、サービス提供に有用なシステムが整備されているプラットフォームを選ぶことで、費用対効果を向上させられます。
話題性や拡散性を生かせる
プラットフォームビジネスの多くは、利用者が口コミで情報発信したり、利用者と提供者の間でコミュニケーションが取れたりするシステムを備えています。提供したサービスが口コミで話題になれば、自然に情報が拡散し、新規顧客を獲得できる可能性が高まります。
特に情報交流のシステムが充実しているプラットフォームでは、この波及効果が生まれやすくなります。ただし、炎上リスクにも注意を払う必要があります。
複数のプラットフォームを同時に利用できる
プラットフォームビジネスは、複数のプラットフォームを同時に利用して、同じ内容のサービスを提供できます。例えば、動画配信による販促活動を行う場合、複数のプラットフォームで同じ動画を配信し、より広範囲なプロモーション展開が可能です。
各プラットフォームには異なるユーザー層が存在するため、顧客獲得のチャンスが広がります。一度制作したコンテンツを活用することで追加コストを抑えつつ、さまざまな顧客層にアプローチできます。
【活用事例あり】動画ビジネスのプラットフォーム「PLAY VIDEO STORES」
動画ビジネスで収益化を目指すなら、PLAY VIDEO STORESが有力な選択肢となります。
PLAY VIDEO STORESは、動画販売に特化したプラットフォームです。
動画の単品販売やサブスクリプション形式での提供などが可能で、簡単に動画販売サイトを構築できます。
PLAY VIDEO STORESを利用すれば、動画販売サイト構築の手間をかけずに効率的にビジネスを始められます。以下にPLAY VIDEO STORESを活用し、動画ビジネスを展開している実績を紹介します。
なんかいオンデマンド
なんかいオンデマンドは、南海放送が運営するサブスクリプション形式の動画販売サイトです。ライブ配信、アーカイブ配信、オンデマンド配信を組み合わせ、多様なジャンルの動画コンテンツを提供しています。
サービスの特徴として、定期的なライブ配信を実施し、常に新鮮な情報を発信している点が挙げられます。また見逃し配信を提供することで、ライブ配信の時間帯に視聴できない利用者にも対応し、サービスの利便性を高めています。
リハミルStation
リハミルStationは、理学療法士や作業療法士の資格取得を支援する動画を配信しているサイトです。主に「国試の達人」シリーズのプロモーションを目的としており、効果的なマーケティング戦略を展開しています。
このサイトでは、詳細な解説コンテンツを有料で提供する一方で、出題基準などの基本情報は無料で公開しています。この戦略により、潜在的な顧客の関心を引き、サイトへの集客を促進しています。
さらに、サイト内にBook Storeへの外部リンクを設置することで、「国試の達人」シリーズの書籍購入へのスムーズな導線を確立しています。
https://rehamiru.stores.play.jp
torcia(トルチャ)
torcia(トルチャ)は、オンラインフィットネスのレッスン動画をサブスクリプション形式で提供している動画サイトです。このサービスの特徴は豊富なライブ配信コンテンツにあり、ユーザーはヨガやストレッチなどのレッスンをオンラインで気軽に受講できます。
さらに、torcia(トルチャ)は単なるレッスン動画の提供にとどまらず、フィットネスに関する豆知識や季節に合わせたエクササイズなど、充実したコンテンツを用意しています。ユーザーはさまざまなワークアウトを自宅で実践できます。
まとめ
プラットフォームビジネスは、新規事業分野への参入を検討する際に有効な手段です。すでに確立され、高い集客力を持つプラットフォームを利用することで、新しいビジネスを迅速に展開することが可能となります。
PLAY VIDEO STORESとULIZAは、動画を活用したビジネス展開に適した動画配信プラットフォームです。
PLAY VIDEO STORESを使用することで、自社でサブスクリプション型の動画配信プラットフォームを持つことも可能です。
新たな動画ビジネスの展開や既存ビジネスの拡大を検討している方は、ぜひ活用をご検討ください。
この記事の監修者: 動画総合研究所 編集部
動画総合研究所は、動画配信技術の活用による企業のDX推進をお手伝いするためのメディアです。
動画の収益化・動画制作・ライブ配信・セキュリティ・著作権など、動画配信に関わるのさまざまなコンテンツを提供いたします。