2023.12.19

動画配信の課金方法の種類は?メリット・デメリットや選び方を解説

動画配信の課金方法の種類は?メリット・デメリットや選び方を解説

動画配信事業を展開するにあたり、利用者からの課金方法は何を選択すべきか悩む事業者もいるのではないでしょうか。動画配信サービスの課金方法は大きく2種類に分けられ、それぞれメリット・デメリットがあります。

本記事では、動画配信サービスの課金方法の種類別の特徴を解説し、それぞれどのようなタイプの動画配信事業に向いているのかをご紹介します。

動画配信サービスにおける課金方法

動画配信サービスで採用される課金方法は、「PPV(都度課金型)」と「SVOD(サブスクリプション型)」の2つに大きく分けられます。まずは、それぞれの課金方法の特徴について見ていきましょう。

PPV:都度課金して視聴

PPV(Pay Per View)は「視聴ごとに課金する」という意味で、有料コンテンツに料金を支払って視聴する課金方法です。視聴する動画の本数や時間によって料金が決まります。1本◯円という単体販売と、ドラマやシリーズの教材など、数本をセット販売するケースがよく見られるでしょう。

PPVは、レンタルのように一定期間の視聴権限を販売する「TVOD(Transactional Video On Demand:都度課金型動画配信)」と、ダウンロード後は無期限に視聴できる権限を販売する「EST(Electronic Sell Through:ダウンロード動画販売)」の2つに分かれます。

SVOD:サブスクリプションで視聴

SVOD(Subscription Video On Demand)は、毎月定額料金を支払うことで動画が視聴し放題になる課金方法で、サブスクリプションのことを指します。

SVODには、サービス内のすべての作品が見放題となるタイプと、コンテンツやジャンル、コースといった対象範囲内で見放題となるタイプがあります。例えば、スポーツ関連動画の配信サービスでは、競技ジャンルごとに見放題コースが用意されていたり、オンライン予備校では科目ごとの契約で見放題となったりするケースがあるでしょう。

なお、動画配信サービスでは、SVODの課金方法を採用しつつ、一部作品のみPPVを採用するという形式も多く見られます。

PPVのメリット・デメリット

ここからは、課金方法別のメリットとデメリットを見ていきましょう。まずは、PPVのメリットとデメリットをご紹介します。

<PPVのメリット>

・見たいものだけ買えるため、購入のハードルが低い

PPVを採用している動画配信サービスでは、利用者が見たい動画だけを購入できるため、利用者側の購入までの心理的ハードルを下げられます。1回あたりの金額もSVODと比べて抑えることができ、気軽に動画を視聴・購入してもらえるでしょう。

・サブスクリプション非対応のコンテンツを配信できる

PPVを採用すれば、権利元から見放題で配信することを禁じられた、サブスクリプション非対応の動画コンテンツの仕入れにも対応することができます。より幅広いコンテンツを配信することにもつながります。

・コンテンツが少なくても運営できる

PPVを採用している動画配信サービスは、新しいコンテンツを追加しなくても事業運営が成り立つというメリットがあります。SVODの場合は見放題となる分、大量に動画コンテンツが用意されていなければなりません。その点、都度課金のPPVは、コンテンツのボリュームはそこまで多くなくても運営は可能でしょう。

ただし、いつまでも同じ動画があるだけでは事業運営に影響を及ぼすため、新しいコンテンツを追加したり、既存のコンテンツをブラッシュアップしたりすることは必要です。

<PPVのデメリット>

・長い関係性を構築しにくい

都度課金するPPVでは、利用者との長い関係性を構築しにくいというデメリットがあります。都度課金したいと思える魅力的なコンテンツを充実させなければ、リピーターを増やすことは難しいでしょう。

・収益が安定しにくい

安定した収益を得やすいSVODとは異なり、都度課金では収益が不安定になりがちという側面もあります。コンテンツを充実させて、ある程度の利用者を獲得できなければ、事業の継続が難しくなってしまう可能性があります。

SVODのメリット・デメリット

動画配信サービスの課金方法でSVODを採用した場合にも、メリットとデメリットがあります。どのようなメリットとデメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。

<SVODのメリット>

・定額収入があるので収益が安定する

サブスクリプション方式のSVODなら、毎月定額料金を支払ってもらえるため、売上が安定するという魅力があります。これは、PPVだけでは得にくいメリットです。

・長期的な関係を築きやすい

SVODでは、見放題のコンテンツを充実させることで、利用者が契約を継続しやすく、長期的な関係を築きやすくなります。その動画配信サービス自体のファンになってもらえる可能性もあります。

・休眠会員が発生する

SVODは休眠会員が発生するという側面もあります。休眠会員とは、コンテンツを視聴しなくても解約をしないため課金はしてくれる層のことです。これも、PPVにはないメリットといえるでしょう。

<SVODのデメリット>

・長期的に契約してもらうため、配信するコンテンツに工夫が必要

SVODでは、利用者に解約されずに料金を払い続けてもらうため、新しいコンテンツを定期的に追加し、ラインナップを魅力的に保つ必要があるでしょう。動画が見放題という魅力を薄れさせないための工夫が必要です。

・契約までのハードルは高め

SVODを採用している動画配信サービスの利用者は、コンテンツを見ても見なくても毎月一定の料金を支払うこととなります。そのため、1回支払えば終了となるPPVと比べ、契約までの利用者のハードルは高めです。契約する価値を、どうアピールするかがカギとなるでしょう。

自社の動画販売サービスにはどちらの課金方法が合っている?

自社の動画配信サービスにPPVとSVODのどちらの課金方法を採用すべきか悩む場合は、どちらのケースにあてはまるのかを考えてみましょう。

PPVが向いている動画配信サービスは、次のようなケースです。

<PPVが向いているケース>

  • 毎月新しいコンテンツをたくさん配信することはできない
  • コンテンツ数が少ない
  • サブスクリプション配信ができないコンテンツも扱いたい
  • レッスン動画や授業動画など、動画ごとや単元ごとに視聴されるコンテンツが多い場合

一方、SVODが向いている動画配信サービスは、次のようなケースです。

<SVODが向いているケース>

  • 定期的にたくさんのコンテンツを配信できる
  • コンテンツ数が多く、見放題に向いている

なお、コンテンツ数が多く、新しくコンテンツが追加される頻度も多い場合は、PPVとSVODを組み合わせるのもひとつの方法です。課金方法をSVODに限定しないことで、まずは利用者に何かしらの単体のコンテンツを購入してもらい、関係性を築くところからスタートできます。

また、PPVとSVODを組み合わせる場合でも、SVODで視聴できるコンテンツすべてが、PPVで購入できる必要はありません。一部のコンテンツのみをPPVで購入できる方式を採用すれば、特別感を演出できる可能性もあります。

コンテンツ内容によって動画配信サービスの課金方法を選択しよう

動画配信サービスの課金方法をPPVにするのかSVODにするのかは、配信するコンテンツの内容や事業戦略に合わせて検討することが大切です。
動画配信サービスによっては、2つの課金方法を組み合わせることもできるため、それぞれのメリットを活かしつつ、デメリットもカバーできる課金方法を検討してください。それによって、利用者が利用しやすい動画配信サービスを展開できるでしょう。

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この記事の監修者: 動画総合研究所 編集部

動画総合研究所は、動画配信技術の活用による企業のDX推進をお手伝いするためのメディアです。
動画の収益化・動画制作・ライブ配信・セキュリティ・著作権など、動画配信に関わるのさまざまなコンテンツを提供いたします。

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