2024.10.29

今のうちに!知っておきたい動画広告のハナシ(前編)

今のうちに!知っておきたい動画広告のハナシ(前編)

インターネットでの動画視聴の普及に伴い、動画広告にも注目が集まっています。動画広告市場は拡大を続けており、動画広告でマネタイズに乗り出す企業も増えてきました。

一口に動画広告といっても、多種多様なものが登場しています。

今回は、そもそも動画広告とは何か、広告の種類と活用方法やマネタイズで効果的な設計と運用について、前編と後編に分けてご紹介します。

動画広告とは?

動画広告とはWeb広告の一種で、インターネットで配信される動画を利用した新しいカテゴリの広告手法を指し、大きく「インストリーム広告」と「アウトストリーム広告」に分類されます。インストリーム広告は動画コンテンツの任意の位置に表示される動画広告を指し、アウトストリーム広告はWebページの記事中やバナー広告枠に埋め込まれる動画広告を指します。

動画広告にはさまざまな種類があります。例えば、ページが表示されると自動的に再生が始まるもの、クリックされると再生されるもの、本編の動画が始まる前に再生されるものなどがあり、目的や用途によって使い分けがされています。

動画広告の特徴としては、以下の2点が挙げられます。

・ユーザー属性に基づく出し分けができること
・広告の効果を詳細に測定できること

テレビCMの場合、テレビ視聴をしている人が圧倒的に多いため幅広く配信することができますが、広告の効果測定が不透明になりやすい傾向にあります。それに対し動画広告は、ユーザーの行動履歴や登録情報から判定される性別や年代などの属性に基づいて適切な広告を配信することができ、再生された回数やスキップ、Webページへの遷移など、ユーザーの行動を詳細に測定できるため、効果を可視化することが可能になります。

動画広告の市場規模

サイバーエージェントの調べによると、2024年の動画広告市場は、7,209億円に達する見通しです。

【出典】サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を実施

今後のさらなる通信環境の高速化や端末の高性能化を背景に、動画広告の市場規模は拡大を続けると予測されています。

そのため、マネタイズの新たな手段として、メディアや広告代理店からも注目を浴びています。

動画広告における純広告とネットワーク広告の違い

広告枠に掲載される動画広告は、広告枠の販売手法に応じて、「純広告」と「ネットワーク広告」に分類されます。

純広告

純広告とは、メディアと広告主との間で「出稿量」「出稿期間」「出稿対象者」などを元に、相対で金額などを決めて掲載される広告を指します。間に広告代理店が入る場合もあります。

純広告を動画広告として配信するためには、アドサーバーと呼ばれる動画広告配信用のサーバーを別途用意して、動画広告と動画コンテンツを紐づける作業が必要となります。

純広告のメリットとしては、メディア側が広告主を選定できることや金額も交渉しやすいことなどが挙げられます。

デメリットとしては、メディアに知名度や集客力がないと広告主を見つけることが難しいこと、動画広告の在庫を自分たちで確保しなければならないことなどが挙げられるでしょう。

ネットワーク広告

ネットワーク広告とは、アドネットワークと呼ばれる外部の広告配信ネットワークサービスから配信される広告を指します。

ネットワーク広告を利用するメリットとしては、アドネットワークに動画広告の在庫がすでに確保されていることが多いため、メディア側が広告主を探す手間がかかりません。また、RTB(Real-Time Bidding:最適な広告を最適な価格で取引できる技術のこと)やPMP(Private Market Place:メディアと広告主を絞り込むことができる技術のこと)といった新しい取引技術にも対応が可能となります。

デメリットとしては、ある程度動画広告の単価が事前に決まってしまうことや、必ずしも自分たちが意図する動画広告が表示されないことが考えられます。

自社サイトとYouTubeで動画広告を配信する違いとメリット

動画広告にはさまざまな種類があることをお伝えしましたが、動画広告を利用してマネタイズしていくにはどのような方法があるのでしょうか。

大きく分けると以下の2種類があります。

・YouTubeで動画広告を利用したマネタイズ
・自社サイトで動画広告を利用したマネタイズ

マネタイズの観点からそれぞれの違いとメリット・デメリットについてご説明します。

YouTubeで動画広告を利用したマネタイズ

動画サイトといえばYouTubeを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。YouTubeを利用するメリット・デメリットは以下のとおりです。

YouTubeを利用するメリット
・圧倒的な視聴者数・視聴回数を持つ
・出稿できる広告在庫を大量に保持している
・配信にかかるインフラコストが必要ない

YouTubeを利用するデメリット
・動画広告収入はYouTubeの作ったルールに従う

状況による変動はありますが、一般的にYouTubeの1再生当たりの広告収入は0.1円以下と言われています。仮に1再生の広告収入が0.1円だとすると、10万回動画が再生されたとしても、1万円ほどの広告収入にしかなりません。

また、YouTubeの利用規約の変更やアカウント停止といったことも頭に入れておかなくてはなりません。

つまり動画再生数は稼げても、動画広告によるマネタイズを考えた場合には費用対効果は決して良いわけではなく、自分たちでコントロールできない部分も多く存在してしまいます。

自社サイトで動画広告を利用したマネタイズ

自社サイトの中で動画広告を配信するとなれば、動画コンテンツに合わせて広告の出稿方法を変更したり、そのルールを自分たちで決めることができます。

多くの視聴者が見込まれるスポーツの試合、有名アーティストやアイドルのイベントを配信する企業では、YouTubeを利用する場合よりも収益性が期待できるのではないでしょうか。

デメリットとしては、初めから多くの視聴者を保持していない場合、独自で視聴者を増やすための努力や工夫が必要となります。

またYouTubeと違って、自社サイトを利用した動画広告マネタイズの場合にはインフラコストがかかるため、ある程度の視聴回数が見込めないと赤字になってしまう可能性もありますので注意が必要です。

動画広告を意識してみよう

動画広告とは何か、どんな種類や手法があるのかなど参考になりましたでしょうか。

説明だけを見ると一見難しそうに見えますが、この記事の中で書かれている動画広告の種類や手法は、読者の皆さんも、普段から何気なく目にしているものも多いのではないでしょうか?また改めて動画広告を目にした際には、「これはあの記事で言っていた、あの種類の動画広告だな」と、思い出してもらえると幸いです。そうなってくると、どんな種類の動画広告がよく使われているのか、自社にはどの動画広告が適切なのかが、少しずつ見えてくるのではないでしょうか。

後編では、なぜ動画広告が注目されているのか、最近よく目にする動画広告についてなど、より具体的に動画広告についてご紹介します。

▼後編はこちら

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この記事の監修者: 動画総合研究所 編集部

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