2024.12.20
動画で業務効率化!企業における動画配信の活用事例(後編)
企業において動画配信で業務を効率化した具体的な事例として、前編では、社員教育や社内行事など、社内コミュニケーションでの活用事例を紹介しました。
▼前編はこちら
動画で業務効率化!企業における動画配信の活用事例(前編) | ULIZAブログ
後編では、IR・広報・採用・販売促進など、社外への情報発信での活用事例を見ていきましょう。
あわせて、動画活用のメリットも解説していきます。
動画配信を利用したIR活動
株主総会や決算発表・決算説明会など、企業のIR活動にも動画配信が活用されています。
株主総会の動画配信
株主総会を開く際、遠方で足を運ぶことができない株主にも、ライブ配信を利用すれば株主総会の様子をインターネット中継できます。また株主総会は、その性質上、開催日が集中してしまうことが多いですが、あとから視聴できるように動画を録画してオンデマンド配信することもできます。
最近では法律改正もあり、バーチャル株主総会の開催ができるようになりました。株主総会の様子を会社のホームページで広く公開し、将来株主になりうる潜在的株主に対して情報発信を行う企業も出てきています。
■経済産業省:場所の定めのない株主総会(バーチャルオンリー株主総会)に関する制度
決算発表・決算説明会の動画配信
また、コーポレートサイトのIR情報として、決算説明会の動画を設置する企業も増えています。決算短信や有価証券報告書などの文字ベースの決算情報だけでなく、動画を通じて経営トップ自らの言葉で中長期のビジョンや成長戦略を発信することで、企業への関心を集めたり、企業の信頼度向上に役立てています。動画配信を利用すれば、決算説明会に参加するアナリストだけでなく、なかなかリーチが難しい個人投資家に対しても、迅速かつ充実した内容の情報開示が可能になります。
字幕や通訳を駆使して、海外向けIRに動画配信を活用している企業も見られます。
動画配信を利用した企業広報
プレスリリースや新商品発表会等のPRイベントなど、企業広報においても動画が取り入れられるケースも増えています。
動画視聴の普及とプレスリリース
プレスリリースはこれまで文字+写真の原稿が中心でしたが、動画配信の普及と動画ニュースサイトの増加を背景に、最近では動画を添付したプレスリリースが増えつつあります。プレスリリースの基本形は、自社の商品/サービス等の情報をメディアに伝え、それを記事やニュースで取り上げてもらうというものですが、近年ではリリースの内容がSNS等を通じて直接消費者の目に触れることも多くなったため「ニュースリリース」とも呼ばれており、一般消費者にとってより身近でインパクトの強い、動画を用いたリリースはますます注目されています。
プレスリリースに動画を用いる場合、各メディアが扱いやすく拡散しやすいYouTubeなどの動画共有サービスやSNSが利用されることが多いです。
街頭ビジョンでPRイベント
また、新商品発表会等のPRイベントをライブ配信するケースも出てきています。近年のPRイベントでは、体験型のイベントを企画してユーザーの共感を生み出したり、話題性のある会場選びやイベントの仕掛けを工夫することでSNSでの拡散を促すなど、常に新たな手法が試みられています。
その中でもユニークな試みとしては、あるメーカーの新商品発表会を都内数ヶ所の街頭ビジョンで同時にライブ配信した例があります。
街頭ビジョンやデジタルサイネージなど、公共施設でのライブ配信の裏側でも、実は簡単に導入できるインターネットの動画配信の仕組みが使われることが増えてきています。こうした公共施設でのライブ配信には、信頼性が高くカスタマイズも可能な法人向け動画配信プラットフォームが適しており、配信ノウハウの豊富な企業と連携すれば、よりスムーズな運用が可能になります。
動画配信を利用した採用活動
企業の採用活動においては、新卒採用・キャリア採用を問わず動画配信の活用が進んでいます。
特に、採用の初期段階において、まずは一人でも多くの学生に会社のことを知ってもらう意味で、動画配信を有効な手段と捉える企業が増えています。
オンライン会社説明会で広くアプローチ
代表的な活用例として、会社説明会を動画配信するケースが挙げられます。一回の会社説明会で接触できる学生の人数には限りがありますが、ライブ配信や見逃し配信を活用すれば、日程が合わずに参加できない学生や定員オーバーで参加できない学生にも柔軟に対応でき、より多くの学生にアプローチできます。また、遠方の学生も参加しやすくなるので、全国各地から優秀な人財を採用したい企業にとっても有効です。
また、オンデマンド型の会社説明会であれば、一度制作したコンテンツを何度も繰り返し使えるので、採用担当者が複数名いても均一な説明が可能になり、学生に伝えたいメッセージを毎回確実に伝えることができます。
企業理解深まる 動画で社内見学ツアー、社員インタビュー
会社説明会の他にも、動画による社内見学ツアーや職場紹介、先輩社員のインタビューなど、会社のことをより深く知ってもらう目的で動画配信を活用している企業もあります。特に、社内の雰囲気を知りたいと考える学生は多く、社内見学に参加した学生は選考に進む可能性が高いと言われています。
動画配信を利用すれば、社内見学に参加できない方にも、写真や言葉だけでは伝えきれない社内の様子を伝えることができ、企業理解が深まります。オフィシャルな採用ページや求人媒体だけでは得られないダイレクトな情報を動画で提供することで、具体的なイメージを持って選考に進める方を集めることに繋がります。
動画を視聴することにより、約7割の就活生が志望度上昇。
【出典】株式会社プルークス「就職活動におけるスマートフォンの活用と採用動画視聴に関するアンケート調査」
また、オンラインの会社説明会や動画による企業紹介は、スマホで情報収集する昨今の学生世代の就活スタイルにマッチしており、何度も繰り返し視聴して企業理解を深めたり、聞きそびれた部分を巻き戻したり、授業や就職活動の合い間に視聴できたりと、学生側にとっても便利で使い勝手が良いため、採用情報を発信するツールとして動画配信を活用する企業が増えています。
動画配信を利用した販売促進
企業の営業活動・販売促進・マーケティング等の活動において、商品情報を発信する手段として動画配信は幅広く活用されています。例えば、自社のコーポレートサイトやECサイトに商品紹介動画を設置したり、店頭のデジタルサイネージやタブレット端末でプロモーション動画を流したりと、活用シーンは様々です。
ここでは、販促ツールとして動画配信を活用すると同時に、社内の業務効率化にも役立てている事例を紹介します。
動画を使った電子カタログ
保険や証券等の金融商品の販売や、自動車ディーラーなど、コンサルティング型の対面販売においては、販売員がタブレットの電子カタログをお客様に見せながら商品説明をする営業スタイルがよく見られますが、ここにも動画が使われるケースが増えています。
オンラインの動画カタログを採用しているある金融機関では、販促ツールとして顧客への商品説明時に見せるための顧客向けモードと、学習ツールとして販売員が商品知識を身につけるために視聴する社内向けモードの2つを用意し、タブレット上でモードを切り替えて使い分けることも実用化されています。
正確で分かりやすい訴求を実現
まず、効率的な販促活動をサポートするツールとして、動画カタログは有効です。保険や証券等の金融商品は、取り扱う商材の種類が多く内容も複雑なため、販売員には一定の専門知識や説明のスキルが求められます。このため、以前は販売員の力量によって説明の分かりやすさにバラつきが出てしまうことがありましたが、動画カタログで予め商品説明コンテンツを用意しておくことで、どの販売員であっても正確で分かりやすい説明が可能になりました。お金にかかわる商品なので、確実に説明しなければならない重要事項も多いですが、動画カタログを用いることで説明漏れ防止にも役立てています。
また、説明資料として、従来は大量のパンフレットを持ち歩く必要がありましたが、動画カタログであれば、顧客の相談内容に合わせてその場で柔軟に商品を選んで提案することも容易になりました。
社員教育にも活用
また、社員教育の面でも、動画による学習用コンテンツを活用して、これまで商品知識の習得にかかっていた膨大な時間を短縮し、効率的なスタッフ教育を実現することができました。オンデマンド型の動画学習の利点として、時間や場所を選ばずに学習できることはもちろん、繰り返し視聴できるので、個々の販売員の理解度に合わせて苦手な商品を重点的に学習できます。さらに、商品そのものの内容だけでなく、顧客への説明のポイントなど、販売ノウハウを実演形式で学習できるのも動画学習の利点のひとつです。
また、新商品が発売されることも頻繁にありますが、オンラインの動画配信なのでコンテンツの差し替えが簡単にでき、多くの販売員を抱える場合であっても全ての端末に同時に反映されるため、教材管理の手間も省けます。
このように、顧客に対して効果的な訴求を行うと同時に、組織全体で販売員の知識やスキルの向上を図ることで、会社として戦略的に販促を強化する手段として動画配信は有効に活用されているのです。
企業における動画配信活用のメリット
ここまで、動画配信で業務効率化を実現した様々な企業の実例を紹介してきました。
これらを踏まえて、動画配信活用のメリットを改めて見ていきましょう。
どこでも視聴できる(場所を選ばない)
例えば社員研修や社内行事などの場合、動画配信はオフラインでの集会が難しい場合の代替手段として利用でき、会場手配や社員の移動に係る時間やコストの節約にも繋がります。
また、社外への情報発信であれば、日本全国はもとより世界中の株主や投資家にIR情報を届けたり、幅広い消費者に動画で商品をPRすることができます。
いつでも・何度でも視聴できる(時間を選ばない)
オンデマンド配信であればいつでも視聴可能なため、例えば社員研修を空き時間に受講できたり、社内外のイベントで当日参加できなかった方々への情報発信も可能になります。
また、何度でも視聴できるため、社員教育などにおいて、繰り返し視聴することで理解を深める場合にも有効です。
伝わりやすい
動画の情報は頭に入りやすく、印象・記憶に残りやすいと言われており、視聴する側のモチベーションの面からも、学習やプロモーションなどの様々なシーンで高い効果が期待できます。
例えば、店舗教育などにおいて、実技系であれば動画の方が圧倒的に分かりやすく、社員集会やIR等であれば経営トップのメッセージを臨場感や熱意をもって伝えることができます。
繰り返し利用できる(コンテンツの質を統一できる)
一度制作したコンテンツを繰り返し利用できるので、社員研修や会社説明会など、毎回同じ内容を確実に伝えたい場合に便利です。また、販促ツールとして毎回同じ動画を利用すれば、プロモーションの内容にバラつきが出にくくなります。
大勢に向けて情報発信できる
少人数同士の動画コミュニケーションであればテレビ会議システムやチャットツールに軍配が上がりますが、大規模な社内イベントや会社説明会、株主総会など、大勢に向けていちどきに情報発信したい場合は動画配信が有効です。
このように、動画配信には企業の業務効率化に繋がる様々なメリットがあり、ますます活用の幅が広がっています。オフラインでの集会が難しい場合もある昨今、いざという時に備えて動画配信の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者: 動画総合研究所 編集部
動画総合研究所は、動画配信技術の活用による企業のDX推進をお手伝いするためのメディアです。
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