2026.08.07
動画配信の著作権で注意すべきこと|企業利用で確認したい基本と対策
近年、多くの企業が社内研修やセミナー、商品紹介、会員向けコンテンツなど、さまざまな場面で動画配信を取り入れています。
しかし、動画内で使用する画像や音楽、資料、映像素材などには、常に著作権が関わっていることを忘れてはなりません。
知識がないまま動画を制作・公開してしまうと、知らないうちに権利侵害につながるリスクがあります。
また、社内向けの動画であっても、外部の画像や資料、BGMなどを使う場合は利用条件の確認が必要です。
本記事では、動画配信を行う上で確認したい著作権の基本、注意点、企業が取るべき安全対策までを整理して分かりやすく解説します。
目次
動画配信で著作権が注視される理由

企業が動画配信を行う際、著作権への配慮が強く求められるのにはいくつかの理由があります。
動画は自社で撮影した映像だけで完結することは少なく、音楽、写真、イラスト、スライド資料、引用データ、画面キャプチャなど、多くの素材を組み合わせて作られるため、一つの動画に複数の素材が含まれるほど、権利の確認有無を見落としやすくなります。
特に、社内研修やウェビナー、販促動画では、制作担当者以外の部署が用意した資料や外部から取得した素材が混在するケースも多いためより注意が必要です。
まずは、動画配信において著作権トラブルが発生しやすい背景を整理していきましょう。
動画に関する著作権の基本から知りたい方はコチラ☟
複数の著作物が組み合わさるコンテンツだから
一本の動画の中には、映像、音声、BGM、ナレーション、テロップ、図表、写真、スライド資料など、多くの素材が含まれています。
各素材には個別に著作権が関わるケースが多いため、動画を構成する素材ごとに権利関係を確認しなければなりません。
「自社で内製したオリジナルの動画だから問題ない」と判断するのは危険です。
たとえ自社制作であっても、外部のフリー素材、BGM、フォント、他社の図版、Web上の画像などを使用している場合は、それぞれの利用条件を満たす必要があります。
また、無料で取得できる素材であっても、企業利用や商用利用、編集、再配信、クレジット表記などに細かな条件が設けられている場合があります。
そのため、動画制作の段階で素材の出所や利用条件を確認し、必要な手続きを踏むことが欠かせません。
公開範囲が広がるほど権利侵害のリスクも高まるから
動画の用途や届ける相手によって、注意すべき著作権のポイントは変わります。
社内限定の共有、取引先向けの限定公開、会員向け配信、誰でも視聴できる一般公開など、動画の公開範囲はさまざまです。
社内だけで視聴する場合と、インターネット上で広く公開する場合では、確認すべき範囲やリスクの大きさも異なります。
特に、不特定多数が視聴できる状態で公開する場合は、権利者の目に触れる機会が増えるだけでなく、問題が発生した際に企業の信用へ影響するリスクも高まります。
悪意のない素材利用であっても、利用条件に反していればトラブルにつながる可能性があるでしょう。
動画を公開する際は、公開範囲に応じて素材の利用許諾や利用条件を慎重に確認することが大切です。
動画配信で確認したい著作権の基本

動画配信に関わる著作権を理解することは、企業の信頼を守るために重要です。
とはいえ、難しい法律用語をすべて覚える必要はありません。
実務では、「どのような行為をするときに権利者の許可が必要になるのか」という要点を押さえることが大切です。
動画を制作する担当者だけでなく、資料を用意する部署、配信を管理する担当者、外注先とのやり取りを行う担当者も、基本的な確認事項を共有しておく必要があります。
ここでは、トラブルを未然に防ぐために役立つ基本事項を3つに分けて整理します。
利用許諾を確認する
動画内で写真、イラスト、動画素材、BGM、効果音、フォント、他社の資料などを使用する際は、必ず事前に利用規約や契約条件を確認してください。
特に注意したいのが、インターネット上で手に入る無料素材の扱いです。
無料素材であっても、商用利用が認められているか、編集してよいか、動画配信で使えるか、再配信に対応しているかは、素材ごとにまったく異なります。
また、クレジット表記が必須とされているケースも少なくありません。
さらに、素材サイトによっては、SNS投稿では使えても広告動画では使えない、社内資料では使えても有料コンテンツでは使えないなど、用途ごとに条件が分かれている場合もあります。
そのため、自社のビジネス目的や動画の配信方法が、素材の規約で許可されている範囲内であるかを、一つひとつ丁寧に確かめなければなりません。
引用条件を慎重に判断する
動画の中で他社の資料、調査データ、ニュース記事、画像などを引用する場合、単に出典を載せれば自由に使えるわけではありません。
著作権法上の「引用」として認められるには、いくつかの要件を満たす必要があります。
例えば、自社のオリジナルコンテンツが「主」であり、引用する他社資料が「従」であるという、はっきりした主従関係が必要です。
引用部分が動画の中心になっている場合や、必要な範囲を超えて長く使っている場合は、引用として認められない恐れがあります。
また、引用元が分かるように出所を記載することも重要です。
ただし、出所を載せればどのような素材でも自由に使えるわけではありません。
判断に迷う箇所がある場合は、安易に公開せず、権利者への確認や専門家への相談を行うことが安全です。
音楽や映像の利用は権利確認が特に複雑
動画に彩りを添えるBGMや参考として差し込む既存の映像は、著作権の仕組みが特に複雑な分野です。
BGMや既存映像には、作詞、作曲、演奏、録音、映像制作など、複数の異なる権利が重なって関わるケースがあります。
市販の楽曲、テレビ番組、映画、ライブ映像、他人が制作した動画などを、許可なく動画の一部に使用することは避けてください。
「短い時間だけなら問題ない」「背景で少し流れているだけなら大丈夫」と判断するのも危険です。
動画配信で使う場合は、配信用としての利用が認められている音源や映像素材かどうかを確認する必要があります。
社内向け動画であっても、後からアーカイブ配信や社外向け配信に転用する可能性がある場合は、将来の利用範囲まで見据えて素材を選ぶことが大切です。
音楽に関する著作権については、下記の記事でも解説しています。
企業の動画配信で起こりやすい著作権トラブル

企業の動画配信において、意図的に他人の権利を侵害するケースは多くありません。
しかし、「社内だけだから問題ない」「短時間なら大丈夫だろう」「無料素材だから自由に使えるはず」といった思い込みから、トラブルに発展するケースがあります。
著作権に関する確認不足は、動画の公開停止や修正対応だけでなく、取引先や顧客からの信頼低下につながる恐れもあります。
社内研修、ウェビナー、販促動画など、身近なビジネスシーンで発生しやすい具体的なケースをあらかじめ整理し、自社の運用に問題がないかを見直すきっかけにしましょう。
社内研修動画への無断使用
社内研修用の動画だからといって、外部の書籍、Web記事、画像、図表、他社の講演資料などを無断で使用すると、法的な問題になる可能性があります。
「社内限定の配信だから著作権は関係ない」という独自の判断は避けるべきです。
閲覧者が従業員だけであっても、企業の業務として他人の著作物を複製し、研修教材として配信する場合は、権利侵害にあたる可能性があります。
特に、外部研修会社の資料、書籍の図表、Webメディアの画像、他社が公開しているホワイトペーパーなどをそのまま動画に入れる場合は注意が必要です。
研修教材として配信する範囲、動画の保存期間、閲覧できる対象者、ダウンロード可否などを事前に整理しましょう。
必要な場合は、あらかじめ権利者から利用許諾を得る仕組みを整えることが重要です。
ウェビナーや講演動画への映り込み
オンラインセミナーや講演動画の配信では、意図しない素材の「映り込み」がトラブルの原因になります。
登壇者が使用する資料内の画像や引用資料、会場で流した音楽、画面共有したWebページなどが、そのまま録画やアーカイブ配信に含まれるケースです。
リアルタイムのライブ配信時は問題が目立たなくても、動画がアーカイブ化されるとリスクは長期間残ります。
後から何度も視聴されるため、権利侵害を指摘される可能性が高くなるのです。
また、ウェビナーでは登壇者が外部から招かれることも多く、登壇資料の権利確認が主催企業側で十分に行われていない場合もあります。
配信内容が録画されて残ることを想定し、資料、画面共有、会場音声、配信後の公開範囲まで事前に確認することが大切です。
外注制作した動画における権利範囲
外部の映像制作会社や個人クリエイターに動画制作を依頼した場合、納品された動画を自社で自由に使えるとは限りません。
完成した動画の著作権が誰に帰属するのか、どの範囲まで二次利用してよいのかは、契約内容によって異なります。
例えば、納品物を別の広告で再利用する場合、編集を加える場合、海外向けに配信する場合、会員向けコンテンツとして長期間公開する場合には、追加の確認が必要になることがあります。
制作時に使われたBGM、ナレーション、写真、イラスト、フォント、テンプレートなどの素材についても、利用範囲が限定されている可能性があります。
後からのトラブルを防ぐためにも、発注時の契約書や仕様書で、成果物の著作権、編集可否、広告利用、海外配信、アーカイブ配信、素材の再利用範囲などを取り決めておきましょう。
このように契約時に確認しておくことで、動画を長く安全に利用できます。
著作権リスクを避けるために企業が行うべき準備

動画配信における著作権トラブルを防ぐには、動画の完成後、公開直前に確認するだけでは不十分です。
企画の段階から、制作、編集、公開、配信後の保存に至るまでの各工程で、あらかじめ確認項目を設けておくことが重要です。
素材を選ぶ段階で権利条件を確認しておけば、公開直前に差し替えや作り直しが必要になるリスクも抑えられます。
また、担当者の経験や感覚だけに頼るのではなく、部署全体で同じ基準を共有することも欠かせません。
ここからは、企業が実務で取り入れやすく、リスク対策につながる準備方法を解説します。
使用素材一覧を作成する
動画の制作に着手したら、動画内で使用する画像、音楽、効果音、資料、フォント、映像素材などをすべて書き出した「使用素材一覧」を作成しましょう。
このリストには、素材の入手元だけでなく、商用利用の可否、使用期限、クレジット表記の有無、編集可否、配信範囲などの利用条件をセットで記録しておきます。
動画ごとに素材の出所と利用規約の記録を残しておくことで、後から内容を確認しやすくなります。
また、組織内での管理の属人化を防ぐ効果も期待できるでしょう。
担当者が異動や退職で変わったとしても、素材一覧が残っていれば、過去の動画の権利関係を確認できるためです。
特に、長期間アーカイブとして残す動画や再編集して別用途で使う可能性がある動画では、素材ごとの記録が重要な判断材料になります。
公開前にチェックリストで確認する
動画の編集が終わり、社外または社内へ公開する前の最終確認として、専用のチェックリストを用いた確認作業を導入してください。
チェック項目には、素材の権利確認の有無、出演者の同意、資料内の引用条件、BGMの利用期限、動画の公開範囲、配信期間、ダウンロード可否などを含めておきます。
動画の種類によっては、登壇者への確認、外注先との契約内容、アーカイブ公開の可否、海外配信の有無も確認対象に入れるとよいでしょう。
個人の感覚や思い込みに頼る判断を減らすことで、確認の抜け漏れを防ぎやすくなります。
動画配信を担当する部署全体でこのチェックを行う仕組みを作れば、万が一のミスを未然に防ぎ、企業としての法令順守の体制を保ちやすくなるでしょう。
チェックリストは一度作成して終わりにせず、トラブル事例や社内ルールの変更に合わせて更新することも大切です。
限定公開や視聴制限を使い分ける
動画の内容や含まれる素材の性質に応じて、配信の公開範囲を管理することも重要なリスク対策です。
すべての動画を一律で一般公開するのではなく、社内研修であれば従業員限定、セミナーであれば申込者や会員限定、特定の取引先向けであれば対象企業限定というように、視聴者を分けて管理します。
権利確認が必要な外部素材や社外秘の情報を含む動画は、限られた視聴者だけがアクセスできる環境で配信すべきです。
URLを知っていれば誰でも視聴できる状態では、意図しない共有や拡散につながる可能性が高まります。
そこで、パスワード認証、IPアドレス制限、ドメイン制限、会員認証などを組み合わせることで、動画の公開範囲を管理しやすくなります。
配信プラットフォームの視聴制限機能を使い分け、意図しない拡散を抑える仕組みを構築することが、企業の安全な動画運用につながるでしょう。
著作権に配慮した配信環境を整えるポイント

著作権侵害のリスクを抑えて安全な動画配信を行うためには、使用する素材の確認や社内ルールの策定だけでは十分とはいえません。
動画を配信した後の公開範囲の制御、視聴者の管理、アーカイブ動画の管理までを見据えた「配信環境」そのものを整える視点が必要です。
特に、企業利用の動画では、誰に見せるのか、いつまで見せるのか、どの範囲で再利用するのかを管理できる仕組みが欠かせません。
配信環境が整っていないと、せっかく素材の権利確認を行っていても、公開範囲の設定ミスやアーカイブ放置によって新たなリスクが生じる場合があります。
ここでは、企業がビジネス利用として安心して導入できる動画配信基盤を整理します。
視聴者や公開範囲を管理できる仕組み
企業が動画を運用する上で、特に重視したいのが「誰がその動画を視聴できるのか」を確実に管理できる仕組みです。
社内研修動画、特定の会員向け動画、取引先限定のビジネスセミナーなどでは、URLさえ知っていれば誰でも見られるような状態は避けるべきです。
そこで、パスワード認証、IPアドレス制限、ドメイン制限、会員認証などの機能を備えた配信環境を用意し、関係者以外への漏えいを防ぐ必要があります。
動画の目的に応じて公開範囲を柔軟に調整し、許可したユーザーだけに視聴を認めるアクセス管理を行うことが、著作権や機密情報の保護に直結します。
また、視聴ログを確認できる環境であれば、誰がいつ動画を視聴したのかを把握できます。
社内研修の受講管理や会員向けコンテンツの運用にも役立つため、企業利用では視聴者管理の機能も準備しておくと安心です。
アーカイブ配信や再利用を見据えた管理方法
ライブ配信が終了した動画をアーカイブとして長期間残す場合は、配信期間や将来的な二次利用の範囲まで先回りして管理する必要があります。
動画を一度配信して終わりにせず、後から見返す視聴者の有無、保存期間の設定、不要になった動画の公開停止基準などをあらかじめ定めておきましょう。
使用している素材の契約期間が切れていないか、後からの確認に対応できる体制を維持することも大切です。
権利期限が過ぎた素材を含む動画を公開し続けると、思わぬトラブルを招く恐れがあります。
また、アーカイブ動画を別の研修や販促施策で再利用する場合は、当初の利用許諾の範囲内で使えるかを改めて確認する必要があります。
このように、公開から保存、再編集、公開停止、削除に至るまで、動画のライフサイクル全体を管理する仕組みが求められます。
法人向け動画配信にはULIZAがおすすめ
著作権やセキュリティに配慮しながら、企業動画を安全かつ安定して届けるなら、法人向け動画配信プラットフォーム「ULIZA(ウリザ)」の利用が選択肢になります。
ULIZAは、企業の動画配信に必要な視聴制限機能、ライブ配信、オンデマンド配信、動画管理機能を備えています。
また、URLの流出による無断視聴や、意図しない拡散を抑えるためのセキュリティ環境が整っている点も特徴です。
他にも、社内研修、ウェビナー、会員向け配信、取引先限定の動画共有など、公開範囲の管理が求められる場面で検討しやすいサービスといえます。
また、アーカイブ配信や配信管理に対応できる環境を整えることで、動画を公開した後の運用負担も軽減できるでしょう。
著作権に配慮した動画配信を継続するには、素材確認だけでなく、視聴者管理や配信期間の管理まで含めた運用体制が必要です。
法人利用向けの配信基盤を選ぶことで、企業の動画施策をより安全に進められるでしょう。
その他動画配信プラットフォームのメリットや活用シーンについては、下記の記事で解説しています。
動画配信プラットフォームとは?特徴や選び方、おすすめサービスを徹底解説!
まとめ
企業の動画配信では、映像そのものだけでなく、音楽、画像、資料、引用データ、出演者の同意、外注制作物など、多くの権利確認が必要です。
著作権トラブルを未然に防ぎ、安全に運用するためには、企画段階から素材管理を徹底し、公開範囲の制限やアーカイブの管理体制を整えることが大切です。
社内限定の動画であっても、外部素材を使う場合や録画を長期間残す場合には、利用条件や公開範囲を確認しておく必要があります。
また、ウェビナーや講演動画では、登壇資料、画面共有、BGM、引用資料などが録画に含まれることもあるため、配信前の確認が欠かせません。
動画制作を外注する場合は、納品物の著作権、二次利用、編集可否、広告利用、海外配信、アーカイブ配信などの範囲を契約時に整理しておくことが重要です。
企業で安全に動画配信を行いたい場合は、素材管理やチェックリストの整備に加え、視聴制限や配信管理に対応した法人向けプラットフォームの利用を検討するとよいでしょう。
この記事の監修者: 動画総合研究所 編集部
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